~数学オリンピック2024予選第2問~【今週の一問】その3

2024年06月30日
高校生向け 受験対策/勉強法

~数学オリンピック2024予選第2問~難易度★

問題

問題はこちらのリンクをクリックして見てください。数学オリンピック財団のHPに飛びます。

数オリの問題です。第2問もまだまだ簡単なので,サクッと解いていきましょう。少し場合分けが大変かもしれませんね。

まずは,実際に解いてみて,できなかったら解説を読んで,理解できなかったところを重点的に復習しましょう。

 

 

解答

答え:$309,311$

 

思考とプロセス

数オリの第4問ぐらいまでなら場合分けができて基本的な計算ができれば何とかなる問題がほとんどです。この問題も粘り強く場合分けすることによって解いていくことが賢明でしょう。

前提として,1桁の素数は

$2, 3, 5, 7$

の4つしかありません。これを頭に入れながら考えていきましょう。

$n$は3桁の整数なので,$0$以上$9$以下の整数$a, b, c\ \ \ (a \neq 0)$を用いて,

$n=100a+10b+c$

と表せます。

このとき,

$n+2024=2000+100a+10(b+2)+(c+4)$

$n-34=100a+10(b-3)+(c-4)$

となることが分かります。繰り上がりと繰り下がりに注意すると,$\mod 10$において,

$c+4 \equiv 2, 3, 5, 7$のいずれかが成り立ち,かつ$c-4 \equiv 2, 3, 5, 7$のいずれかが成り立ちます。

まとめると,$c=1, 9$のいずれかになります。

 

[1]$c=1$のとき,

このとき,

$n+2024=2000+100a+10(b+2)+5$

$n-34=100a+10(b-3)-3=100a+10(b-4)+7$

となることが分かります。

繰り上がりと繰り下がりに注意すると,$\mod 10$において,

$b+2 \equiv 2, 3, 5, 7$のいずれかが成り立ち,かつ$b-4 \equiv 2, 3, 5, 7$のいずれかが成り立ちます。

まとめると,$b=1$であることがわかります。

よって,

$n+2024=2000+100a+35$

$n-34=100a-30+7=100(a-1)+77$

となるので,$a-1, a$はともに素数とならないといけないので,$a=3$であることが分かります。

すなわち,$n=311$となります。

[2]$c=9$のとき,

このとき,

$n+2024=2000+100a+10(b+2)+13=2000+100a+10(b+3)+3$

$n-34=100a+10(b-3)+5$

となることが分かります。

繰り上がりと繰り下がりに注意すると,$\mod 10$において,

$b+3 \equiv 2, 3, 5, 7$のいずれかが成り立ち,かつ$b-3 \equiv 2, 3, 5, 7$のいずれかが成り立ちます。

まとめると,$b=0$であることがわかります。

よって,

$n+2024=2000+100a+33$

$n-34=100a-30+5=100(a-1)+75$

となるので,$a-1, a$はともに素数とならないといけないので,$a=3$であることが分かります。

すなわち,$n=309$となります。

 

[1],[2]をまとめると,$n=309, 311$となります。