概要
例年の問題の傾向
<例年の傾向>
堀川高校の英語の試験は公立高校の中では最難関であり、特に読解力に関しては非常に高いレベルが求められている。大問構成としては、リスニング問題1題、長文問題2題、英作文問題1題であり、長文問題は説明文読解1題と小説文読解1題に分かれている。堀川英語の最大の特徴は、長文問題の難しさである。説明文は抽象的な事柄をテーマにしていることが多く、設問も単純に解くのが難しいものが多い。また、小説文は文章が長く、設問の数も多い。このように、長文問題は非常に難しいのだが、一方で英作文問題はそれほど難易度が高くなく、基本的な英語を表現できるかを調べるものとなっている。
今年の問題の特徴
リスニング問題1題、長文問題2題、英作文問題1題という大問構成は例年と同じ。大問2の説明文、大問3の物語文ともに、文章内容への馴染みのなさや分量の多さなどから、難易度はやや難しめであったといえるだろう。大問2の最後に本文の補足説明が挿入されていた点、大問3の最後に会話文が挿入されていた点は、例年にはない新傾向であった。大問4の英作文の難易度は、例年通りであった。
大問別講評
大問1
リスニングでは、例年は出題されているディクテーションが今年度は出題されなかった。
したがって、
(1)放送される質問文に対する答えとして最も適当なものを記号で選択する問題
(2)放送される質問文に対する答えを英語で記述する問題
(3)会話文の内容に合うように、英文の空欄に当てはまる単語を答える問題
の3つのみが出題された。
大問2
大問2の説明文読解では、蒸気機関を改良したジェームズ・ワットと活版印刷を開発したヨハネス・グーテンベルクという2人の発明家についての文章が用いられた。2022年度の説明文が、人類の発展の理由という抽象的なテーマであったのに対し、今年度は史実を中心に展開する、より具体的な文章であった。また、新たな出題形式として、設問中に本文の補足説明の文章が挿入され、それに関連する問題が2題出された。本文に加えて補足説明文も読まなければならないため、全体のボリュームは昨年度よりも増した。また、蒸気機関や活版印刷の発明というテーマはあまり馴染みがなく、理解するのに時間がかかったかもしれない。近年、堀川高校の英語の説明文は易化の傾向にあったが、今年度の説明文はやや難易度が高かったといえるだろう。
大問3
大問3の小説文読解では、「筆者と祖父の会話」の文章が用いられた。文章量は昨年よりも長く、設問数も昨年度より増加して10問となった。ほとんどが選択問題だったため、設問自体の難易度はさほど高くなかったと思われる。ただ、文章自体が非常に長いので、いかに速く解答に必要な情報を見つけられるかがポイントになった。
大問4
英作文問題は、2022年度と同じく、会話文の空欄に当てはまる英文を答える問題が2題出題された。2021年度以前は例年出題されていたグラフや表の読み取り問題は、昨年度に引き続き出題されなかった。英作文は大問2、3の長文問題と比べて難易度は低く、満点を取ることができる難易度である。だからこそ、単語のスペルミスや時制、名詞の複数形などのミスに気をつけたい。
<堀川英語への対策>
堀川の英語の入試は非常に難易度が高い。だからこそ2つの力が必要になる。
1つ目の力は、「ミスのない英文を書く力」である。堀川英語の大問4は大問2、3の長文問題に比べると、難易度は高くない。ここで得点を落とさないことが非常に重要である。難しい表現は求められていないので、ミスのない英文を正確に書くことを日頃から意識して練習することが大切である。
2つ目の力は、「必要な情報を本文から素早く見つける力」である。大問2、3の長文問題は文章が長く、単語も難しいため、どうしても読むのに時間がかかってしまう。そのため、各設問にあまり時間をかけることができない。したがって、設問で問われている情報を本文中から素早く見つける力が必要になる。問題を解いていく中で、どの部分を探せばよいのか、どの部分に解答につながるヒントが書いてあることが多いのかというのを意識していくことが大切である。