総論
例年の問題の傾向
①現代文
近年は評論に近い随筆が出題されていた。記述量は多く、選択問題も文章量が多いので、解答に時間がかかる。近年は問題文の方式を変えつつあり、処理しなければいけない文章量が増加。よって一昔前よりも時間不足が予想される。問題数は少ないが、一度に書かないといけない文章の量が多いので、きちんと構成を練って記述問題を解く必要がある。
②古文
現代文と比較すると、難易度は低い。しかし、古典単語・文法といった基礎的な知識が疎かであると取れないので、最低限の勉強は求められる。
今年の問題の特徴
①現代文
去年に引き続き、科学評論に近い随筆であった。筆者の個人的意見・好みが入っており、その区別を要求される文章。また、書き抜きではなく自分で考えて空欄に記入する問題が増えたので、ただ作業で抜き出すのではなく、情報を自分で加工する能力が問われている。そして解答の自由度が増加した問題が出題された分、文章を推敲する時間が必要である。
②古文
例年と同じ難易度であり、会話文の始まりと終わりの把握が肝となる文章であった。
大問別講評
大問1:現代文ー哲学評論
「もの」から議論が始まり、「わたし」「わたしの世界」に関する自然科学的な哲学。初見だと理解に時間がかかる。教養としての事前知識がある程度あることが望ましい。
また解答を作る、要素を書き抜く、だけではなく様々な条件が課せられている。条件を把握しつつ解答分を作成する能力が問われている。
大問2:古文
寺の僧が、百物語をしようとする説話。会話文を含んだ設問と、それに対する問。文章全体の内容を把握するだけではなく、冗長な問題文から必要な情報を抜き出す必要あり。初見でこれを解くのは難しいと思われる。
今年の一問
問題
大問ニ:問五
解説
問題の難易度は低いが、読まなければならない文章量の多さから、時間が足りなくなることが予想される。会話文の内容を把握する力が問われている。
まとめ
問題文に会話文が挿入され、それに対して文章の内容を踏まえて適宜文章を考えるという問題が出てきてる。文章の内容、会話文の流れ、適した形に文章を加工するといったことが求められている。記述量が多く、その上文章量が増えたことにより、厳しい時間との戦いを強いられる。日ごろから長文を書く練習をしていく必要がある。